今月、次男に子供が生まれる。お嫁さんの体調も順調で、私たちは孫の誕生を心待ち
にしている。
お嫁さんは計画的に物事に取り組む人で、女の子の赤ちゃんが生まれる前からお宮参
りの準備に取り掛かっていた。
赤ちゃんにどのような着物を着せるかを相談していると、娘が七五三の時に着た着物
がタンスに眠っていることをふと思い出した。
衣装箱を開けてみると、20年以上袖を通していなかったが、きれいな状態で保存され
ていた。
赤とピンクを基調に花や手まりが描かれた子供用の着物だ。
そこに母の手書きで、娘の名前、着た時の日時、着丈74㎝、裄丈76㎝と記されたメモ
が添えられていた。
この着物は母からの贈り物だった。
娘がこの着物を着て七五三のお宮参りに行った時のこと、成長していく様子、そして
学校に行き始めて自立していった姿が、鮮やかに蘇ってきた。
今度はこの着物を孫が着ることになる。
着物が母から子へ、子から孫へと受け継がれるように、子供への“思い”もまた、時
を超えて受け継がれていくのだろう。
そして“いのち”もまたつながって行く。
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