5月になると一本の木から紫と白の2色の花が咲いている木をよく目にします。「ニオイバンマツリ」という木です。このニオイバンマツリ、実は初めから2色なわけではなく、咲き始めは濃い紫で徐々に薄くなって、2日程で白くなります。「ニオイ」という名の通り甘い香りを放ち、香りは夜に強くなるそうです。
私はこのニオイバンマツリを見ると祖父母の事を思い出します。
祖父母の家に大きなニオイバンマツリがあり、とてもキレイでした。祖母は小柄でリウマチもあり、体中の痛みがあるのに腰を曲げて、暑い中いつも畑作業をしていました。私の姿が見えると優しい笑顔で迎えてくれました。祖父は一緒に田植えをしたり、稲刈り後の田んぼに飼っていた犬と一緒に連れて行って遊んでくれたりしていました。祖父母との思い出がニオイバンマツリを見ると蘇ります。
祖父母は他界しており、家は震災後解体しています。もうそのニオイバンマツリを見ることはできないのですが、いつか自分の家の庭にもニオイバンマツリを植えて祖父母の姿を思い返せたらいいなと思っています。
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